来賓挨拶 セーブ・チベット・ネットワーク呼びかけ人・牧野修聖氏

065-H20.06.18

 みなさんこんにちは。本日は「宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会」が厳かに力強く立派に設立されましたこと、大変おめでたく心よりお祝い申し上げます。

 ご紹介頂きました牧野でございます。

 本日、私が皆様方に心からお慶び申し上げますのは、3月10,14日以来のチベットの一連のことが、この度の四川大地震(もちろんすべての皆さんが心を痛めていることでありますけれども)、これから行われる洞爺湖サミット、そしてその後の北京オリンピックへと、マスコミを含めまして滔々と「ひとつの流れ」が進んでいくわけであります。その中で、チベットの問題がまさしく風化しようとしております。今日の新聞各社のサミットへの論調などを見てみますと、「人権問題」と「チベット問題」という語句がすでに消えておりまして、これは由々しきことであると私は思っております。

 その矢先に、僧侶の立場にある皆様方が、こうして宗派を超えてお集まりいただいてチベットの平和を祈る会を開いていただいた。このことは、本当に「時機」もあっておりますけれども、チベット問題の本質を忘れるなということで、皆様方の今回の結集に対しましては本当にありがたく、敬意と感謝を表す次第であります。

 私たち政治家、または一般の方、経済界、文化人の皆様方が、チベット問題に関心を持って活動をすること、それはそれで凄く有り難いわけでありますが、こうして僧侶の皆様方が立ち上がっていただけますことは、まさしくチベット問題の解決を望むすべての皆様方にとりまして、「仏作って魂入れず」ではなくまさしく「魂が入った」という実感があるわけでございます。チベット問題の解決に向けて大きな第一歩が踏み出されたと理解しているわけでございます。これからもいろんなことがあろうかと思いますが、ぜひとも勇気を持って行動として前進していって欲しいとお願いする次第でございます。

 チベットの問題を解決するにはどうしても避けては通れない問題があります。それは中国における民主化と自由・開放であり、このことなくして解決はないと私は考えております。したがいまして、この解決がアジアの安全と平和が実現できるのであり、アジアの安全と平和が実現されればこれすなわち世界の安全と平和が実現されるのでございます。その精神的なバックポーンを、これから皆様方にお願いすることになろうとか思います。

 私は政治家として皆様方に宣言をさせて頂きたいと思いますが、この問題の「汚れ役」は全部一切引き受けます。どうぞ皆様方はレベルの高い、精神性の高い運動をお続けいただきたいと思います。

 中国人ともいろいろ話をしますが、今の中国人民が望んでいることはふたつあります。それは何かと申しますと、民主主義と宗教です。 今の体制の中で生きるだけで精一杯という方がたくさんいます。彼らが望んでいるのは、民主主義と宗教です。

 私は、中国の民主化とチベット解放のために、政治家として命がけで戦っていきたいと思っていますが、中国人民によって求められている宗教は我々ではどうにもなりません。それは今日お集まりの皆さまの双肩にかかっていると思います。特に宗教の中でも、仏教を求めていると思います。そのような意味で、ダライラマ法王を支援し、チベットの皆さまを支援するということは、中国の皆さまの精神的な枯渇に潤いを与えることであり、本当の意味で中国人民の物心両面での発展になると思います。

 どうぞ皆様方には、地味ではあると思いますが、謙虚に、そしてレベルの高いご支援をいただければと思います。この会が、さらにご発展されますよう心からお祈り申し上げ、私の挨拶に代えさせていただきます。本日は誠におめでとうございました。